2000年度東京都予算(原案)関連資料

2000年2月3日:自治労連都職労企画政策部作成

<表1>2000年度予算における都側主張ポイントと解説

東京都の主張する平成12年度予算のポイント 解 説
  1. 一般会計予算規模が5兆円台となる緊縮型の予算
    1. 一般会計予算規模は12年ぶりに6兆円を割りこみ、5兆9880億円と前年比3100億円、4・9%減。
    2. すべての施策を見直し、一般歳出は一般歳出9・6%(清掃除くと5・9%)減。
    3. 一般歳出のうち経常経費7%減で、9年前の3兆円台の水準。同投資的経費21・2%減で、7154億円と、87年度の水準まで減少。
    4. 都税収入は、恒久的減税の平年度化等で87年度水準まで落ち込む。都税収入:3兆9085億円、前年比3・4%減。
  2. 歳入歳出の両面にわたり徹底した見直しを行い、財政構造の転換に取り組んだ改革型の予算
    1. 財政再建推進プランに基づく徹底した見直しで、1900億円確保。
    2. なお生じた財源不足額について、職員給与削減と臨時的な財源対策実施。
    3. 財源対策にも限りがあり、今後一層の財政構造改革必要。
  3. 財政再建に取り組み中、施策の再構築を図りつつ、新たな行政需要にも的確に対応した予算
    1. 従来施策見直しとともに、施策再構築図る。
    2. 「危機突破・戦略プラン」で掲げた課題については、的確な対応図る。<福祉施策の新たな展開。多様で柔軟な新しい教育。意欲ある取組を支援する産業政策。健康で快適な都市環境づくり。都市の重点整備>
  1. 福祉を中心とした都民向け施策切り捨てがメインの構造改革予算
    施策見直しにおける経常経費分は、財政再建推進プランにおける4年間の目標額の49%を初年度で達成する形となる。捻出額は、880億円であるが、福祉手当・医療費助成・シルバーパスの福祉関係10事業の見直しのみで456億円と52%を占め、このほかに特別区国保補助金のみで150億円規模の削減であり、衛生局関係の各種医療費助成などを含め、実質的には、福祉関係を中心とした都民向け施策の切り下げが中心となっている。また、福祉関係10事業見直しのみの平年度化(経過措置終了時点)で1033億円削減と財政再建推進プラン目標額の57%に達しており、プランの狙いが東京の福祉改悪であることがうかがえる。
  2. 最終補正予算を利用し、都財政悪化の要因である大型公共事業は従来規模温存の都民を欺く予算
    投資的経費21・2%減が強調されているが、都営住宅新設ゼロをはじめ都民向け切捨ての「重点化」が図られるとともに、1999年度最終補正予算で約2900億円規模が投入され、実質的には2000年度中に従来と変わらない1兆円規模が確保されている。同様に、当初予算で強調されている都債抑制も、今年度最終補正予算分を加えると今年度規模を超えている。また、一般会計規模が6兆円を割り込んだことが強調されているが、清掃事業区移管相当分を加えたのみで、6兆1865億円。
  3. 都財政破綻の方向である大型公共事業と借金拡大路線を推進する都財政破綻型予算。
    東京大改造路線を柱に据えた「危機突破・戦略プラン」に基づいて、「臨海地域再編整備指針」「東京圏メガロポリス構想」等の策定に向けた調査費を計上するなど、大型公共事業の一層の拡大推進(同時に、借金拡大をもたらす)の準備としての予算の性格も持っており、都財政を破滅に導くものである。
▼ 以下は、「財政規模」
区分 平成12年度 平成11年度 増減額 増減率
一般会計 59880億円 62980億円 △3100億円 △4・9%
うち一般歳出 44920億円 49699億円 △4779億円 △9・6%
経常経費 37766億円 40625億円 △2859億円 △7・0%
投資的経費 7154億円 9074億円 △1920億円 △21・2%
特別会計(18会計) 34528億円 35814億円 △1276億円 △3・6%
公営企業会計(12会計) 23291億円 24415億円 △1124億円 △4・6%
合計(31会計) 117709億円 123209億円 △5500億円 △4・5%

<表2>2000年度投資的経費の予算化状況

「臨海副都心開発」関連の予算化状況 その他大型開発関係 生活密着事業は大幅削減
広域基盤整備
(臨海道路整備・晴海通りの延伸等)
233億円 幹線道路建設 818億円 項 目
<右の単位は億円>
予算案計上額 前年比削減額
東京港臨海道路整備事業 144億円 汐留地区区画整理 101億円 一般道路整備 186 175
有明北海面埋め立て等 123億円 市街地再開発 305億円 道路補修 151 114
臨海都市基盤整備事業(豊洲・晴海・有明北の土地区画整理事業) 57億円 新海面処分場建設 262億円 交通安全施設設置 141 43
羽田沖会計から臨海開発会計へ長期貸付 50億円 首都高速道路公団への出資・無利子貸付 171億円 中小河川改修 263 35
臨海関連第3セクター救済措置 20億円   公園整備 50 27
東京臨海新交通の整備 35億円 緑地保全 31 12
  震災対策
公営住宅建設 826 153

<表3>財源確保状況の概要

区 分 財政再建プラン
目標額(億円)
12年度予算に
おける確保額
説 明
内部努力 1600 580  
給与関係費削減 500 150 職員定数2000年度以降の4年間で職員定数5千名削減計画の43%に相当する2138人削減実。警視庁を初めて削減したが、事務職のみ20名削減。このため、知事部局35413名(現、44709名)を上回る警視庁44524名(44544名)体制となる。なお、清掃を加えた削減数は10132名となる。
管理事務費などの削減 600 140 施設維持管理経費や事務費など。
監理団体に対する支出削減 500 290 都からの財政支出削減は、626億円(22・8%)大幅削減。
団体の廃止・統合では、東京鉄道立体整備(株)と?東京都映画協会を解散。?東京都地域福祉財団と東京都社会福祉事業団を統合(2001年度末までに)。
監理団体職員323名削減、社会福祉事業団委託増分を含むと38名増。
施策の見直し 2400 1170  
経常経費見直し 1800 880 約80事業の休廃止。
投資的経費見直し 600 290 庁舎新築・改築は原則中止。事業を重点化。国庫補助金の確保。土木・建築のコスト縮減一般会計70億、全会計213億円。
歳入確保 550 120  
徴税努力 400 100 都税徴収率を94・1%→94・3%へ引き上げ。
受益者負担適正化 150 20 使用料手数料を35条例、6規則改定
税財政制度の改善 1750 65   
税源の移譲等 1500  
財源調整措置の廃止 250 65 義務教育教職員給与費等国庫負担金の財源調整措置にかかる退職手当率が千分の20から84へ改善
合  計 6300 1900  

臨時財源対策:計3200億円 職員給与削減 700億円
減債基金積立の一部計上見送り 1300億円
退職手当債 200億円
土地開発基金の廃止 1000億円

<表4>歳入概要:一般会計

東京都は、「都債は、3986億円で、30・4%の大幅な減となり、起債依存度も6・7%と前年度に比べ、著しく低下した」と投資的経費削減と起債抑制の財政構造転換に取り組んだ改革型と強調しているが、1999年度最終補正予算において、投資的経費を中心とした3691億円もの歳出を計上し、財源の70%に相当する2564億円もの都債を発行する。
したがって、2000年度中の実質的起債は、6550億円と前年度を上回る規模となっている。
区分 2000(12)年度 1999(11)年度 増減額(億円) 増減率(%)
金額(億円) 構成比(%) 金額(億円) 構成比(%)
都税 39,085 65・3 40,449 64・2 △1,364 △3・4
  うち法人二税 12,606 21・1 14,040 22・3 △1,435 △10・2
  うち都民税利子割 1,853 3・1 1,047 1・7 806 77・0
地方特例交付金 1,319 2・2 356 0・6 963 270・5
国庫支出金 4,831 8・1 4,836 7・7 △5 △0・1
繰入金 2,094 3・5 3,207 5・1 △1,113 △34・7
都債 3,986 6・7 5,729 9・1 △1,743 △30・4
その他歳入 8,565 14・3 8,404 13・3 162 1・9
合計 59、880 100・0 62,980 100・0 △3,100 △4・9

郵便貯金都民税利子割400億円収入を200億円財調基金積み立て(財調基金残高は12年度末216億円)

<表5>1999年度(平成11年度)東京都最終補正予算の概要について

都の主張する最終補正予算の基本的な考え方
  1. 国の経済新生対策の実施に伴う第二次補正予算に合わせる(経済活性化,貸し渋り対策)
  2. 公共交通機関整備に適切な対応
  3. 都税収入減少、国の緊急雇用対策、日銀への還付金計上
区分 歳出規模 財  源
国庫支出金 都債 その他特定財源 一般財源
一般会計 3101億円 810億円 2292億円 550億円 △551億円
特別会計 7億円 7億円
公営企業会計 583億円 129億円 272億円 182億円
合計 3691億円 939億円 2564億円 739億円 △551億円
補正予算における「経済対策」「公共交通機関整備」分野の具体的内容 (支出金額順:上位13事業) 歳出規模
1. 東京都地下鉄建設(株)への貸付
2. 大江戸線の先行開業(高速電車事業会計)
3. 公営住宅整備 
4. 中小企業金融安定化特別保証制度延長 
5. 多摩都市モノレール(株)への貸付 
6. 東京臨海高速鉄道(株)への出資
  (一般会計、埋立事業会計、臨海副都心開発事業会計、高速電車事業会計)
7. 区画整理・市街地再開発事業  
8. 帝都高速度交通営団への補助  
9. 東京港・島嶼港湾等の整備   
10. 河川整備           
11. 東京信用保証協会への出えん  
12. 都営住宅スーパーリフォーム  
13. 首都高速道路公団への出資
900億円
501億円
405億円
207億円
160億円
150億円

149億円
95億円
48億円
43億円
40億円
30億円
12億円
2000年度当初予算と1999最終補正予算との合算状況
項 目 2000年度当初予算 1999年度最終補正予算 合 計  
投資的経費 7154億円 約2900億円
(開発関連費分として)
10054億円 2000年度中に執行する額として1兆円規模を確保している。
都債 3986億円 2564億円 6550億円