【闘いの経過】
1.都庁職は、99秋の賃金闘争を、「財政再建推進プラン」に反対する闘いと位置づけ、@「給与削減の時限的措置」を白紙撤回させること、Aベア勧告を実施させること、B勤勉手当への成績率導入、55歳昇給停止等を阻止すること、C人事制度の改善等の都労連要求を実現すること、等を主な課題とし、2000年度予算・人員要求実現の闘いと一体のものとして闘ってきた。
とりわけ9月3日都側から提案された「給与削減の時限的措置」は、一ヵ月分に相当する賃金の削減であり、組合員の生活を大きく脅かすと同時に、都人勧の出される一ヵ月以上も前に提案される等、労働基本権制約の代償措置である「人勧制度」を無視した不当なものであり、さらに、都民施策切り下げの「露払い」として位置づけされてもおり二重、三重に容認できないものであった。
都庁職は、この攻撃を「非常事態」と受け止め、給与削減提案の白紙撤回等の実現を目指し、集会、要請行動、座り込み、早朝宣伝、ステッカー、都内労組への支援要請、知事への抗議葉書、議員への要請葉書、管理職への手紙、100万枚及び150万枚ビラ都民宣伝等都労連から提起された行動に都庁職独自の行動を加え、11月12日及び17日の実力行使を背景としながらかってない闘いを全力で展開した。
2.都側からの「給与削減の時限的措置」の提案以来、都労連は、給与削減提案の白紙撤回を強く要求し、また、都の財政が危機に陥った原因と責任の所在を明らかにすることやベアの実施を明確にすることを求めてきたが、都側は、都労連要求には応えず、「給与削減の時限的措置」は、都財政の危機を乗り切るために不可欠であるとし、「具体的協議」を求める主張を繰り返すのみであった。また、人事制度改善要求等の都労連諸要求には何ら言及せず、都労連が反対の立場を明らかにしてきた、勤勉手当への成績率の導入、勤勉手当の減額率の改悪、55歳昇給停止、特地手当と調整手当の併給調整、メーデー職免の廃止、福利厚生の見直しを一方的に提案する等、不当な態度を取り続けた。
さらに、11月2日の年末一時金の団交において都側は、ベア実施の事実上の見送り、一時金の実施と成績率導入のセット論に言及し、さらに、「給与削減の時限的措置」について「このまま交渉が進展しなければ、重大な決意をせざるを得ない」と一方的実施を示唆する不当な発言を行い、交渉は中断の状況となった。
こうした都側の態度は、11月12日の実力行使を前にした11日の都労連委員長と副知事との会談においても変わらず、都労連・都庁職は12日1時間のストライキを整然と全都において決行した。
3.都労連は、12日の実力行使に引き続き、総務局長等への要請や集会、座り込み等の闘いを背景に都側に事態打開の決断を強く求めた。
15日夕刻、都労連委員長と副知事との会談がもたれ、副知事は交渉再開に向け「石原知事が今日の財政危機の原因と責任について、自ら直接言及するよう取り計らいたい」と述べ、都労連は交渉再開を受け入れた。
16日19時、17日の2時間ストを背景に都労連委員長と知事との会談がもたれ不十分であるが、都財政の危機の原因と責任等についての発言があり、これをふまえて「給与削減の時限的措置」やベアの取扱について都労連委員長と交渉責任者の副知事との間で2回の会談がもたれた。この会談をふまえ都労連と都側との間で少委員会交渉、団体交渉がもたれ、都側から最終回答を引き出した。その概要は以下のとおりである。
【都側最終回答の概要】
1.人事委員会勧告関係
(1)ベアについて平成11年4月1日から完全実施する。
(2)平成11年度期末手当については、人事委員会勧告通り0.3月分を3月期末手当から削減する。
2.給与の削減に関する時限的措置
(1)実施期間については、平成12年度から平成13年度までの2か年間とする。
(2)給料月額(給料の調整額を除く)を4%削減する。
(3)調整手当にははね返らせない。
(4)退職手当への反映は行わない。
(5)再雇用職員については今回の対象としない。
(6)期末・勤勉手当については、期末手当を0.45月分、(8.6%)削減する。
(7)削減手法については、6月期支給期末手当から0.2月分、12月期支給の期末手当から0.2月分、3月期支給の期末手当から0.05を削減する。
(8)社会情勢の変化が著しい可能性もあるので、勧告を踏まえて、12年度、13年度の給与改定期(期末手当を含む)には協議する手続きをとる。
3.年末一時金
現行の条例、規則どおり期末手当2.05分、勤勉手当0.45月分、合計2.5月分を12月10日に支給する。
4.一般職員への成績率の導入については、当面留保する。
5.高齢職員の昇給制度については引き続き協議とする。
6.特地手当・へき地手当における調整手当との併給調整の停止の解除は引き続き協議とする。
7.福利厚生については専門委員会で示したとおりとする。
8.メーデー職免引き続き協議とする。
9.長期勤続休暇について、今後の諸状況を勘案しつつ、前向きに検討したい。
10.育児休業中の職員の期末・勤勉手当については、勧告どおり実施する。
【都庁職の見解と態度】
1.都庁職は、都側が都労連・都庁職の白紙撤回の要求に応えず、当初提案を変更したとはいえ「給与削減の時限的措置」の実施に最後まで固執したことは容認できるものではなく強く抗議する。
しかし、9月以降今日までかつてない大衆的な闘いを積み重ね、さらに17日の2時間のストライキを背景に都労連委員長と知事とのトップ会談において、不十分であるが都財政の危機の原因と責任について知事自らに直接言及させ、これにもとづく都労連委員長と副知事との会談をふまえ、団体交渉において、ベア勧告実施と育児休業中の期末・勤勉手当の支給を決断させ「給与削減の時限的措置」について、@実施時期を12年、13年の2か年とする、A削減する給料月額から調整額を除く、B調整手当にはね返らせない、C退職手当への反映は行わない、D再雇用職員については今回の対象者としない、E平成11年度の3月期末手当の削減は勧告どおり0.3か月とする、F期末手当の削減は0.45月分(8.6%)とする等との最終的な譲歩(回答)を引き出した。この内容は非常に厳しいものであるが、今日までの闘いの到達点である。
2.都側から提案された、一般職員への成績率の導入、勤勉手当の減額率の変更、特地手当・へき地手当における調整手当との併給調整の停止の解除、メーデー職免の廃止、高齢者の昇給制度の見直しについては、それぞれ「引き続き協議」とさせることができた。
3.都庁職は、都側が都財政の危機を乗り切る方策として「給与削減の時限的措置」の実施に最後まで固執したことは容認できないが、厳しい都当局の攻撃のもとで知事、副知事との計3回に及ぶトップ会談をふまえた団体交渉で、労働基本権に関わるベア勧告を実施させたことや「給与削減の時限的措置」についての交渉の到達点及び成績率導入を初めとする他の課題の到達点及び今日の厳しい情勢を踏まえ、都労連の妥結提案を受け入れるものとする。
なお、都庁職は「財政再建推進プラン」に反対する闘いを進めるとともに、引き続き協議とさせた事項について、今後もこれまでの方針を堅持し、闘いを強化させていくこととする。
4.都庁職は、以上の「見解と態度」及び都労連の指令に基づき、11月17日の2時間ストライキを中止し、抗議と到達点の周知を図るために同日職場報告集会を実施する。 |
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